
(by Queerty)
San Francisco States Universityが「You and Me」と題される、コンドーム利用に対する人種間での意識の違いについての研究結果を発表しました。
現在ワシントンD.C.で開催されている「第19回国際AIDS会議」で報告されるこの調査によると、黒人ゲイカップルはセーファーセックスについて話し合うことなしに定期的にコンドームを使用する傾向にあるのに対して、白人はセーファーセックスについて話し合うものの、コンドームの使用については注意が欠けていることが判明しました。
以下詳細。
・黒人同士のゲイカップルはHIVステータスに係わらずコンドームを使用する傾向にある。
・その際、特に交渉は必要ない。お互いが「(コンドーム使用について)ただ理解しあっている」。
・多くの白人同士のゲイカップルはHIVステータスに係わらずコンドームを使用しない傾向にある。
・その際、無防備なセックスによるリスクとベネフィットを議論する(が結局利用しないことが多い)。
・黒人と白人間のゲイカップルは、「黒人カップル型」「白人カップル型」のどちらかに別れる。
・異なるHIVステータス(ポジティブとネガティブ)のカップルがコンドームを利用するかどうか決定する際の重要なファクターはHIVポジティブの人の健康状態である。
・つまり、HIVポジティブのウィルス数値が低いもしくはHIV治療を受けている場合、HIV感染は低いと考えるためコンドームを使用しない。
・HIV治療や検査の技術進歩を受けて、コンドームの使用をやめたゲイカップルもいる。
・HIVポジティブのパートナーが低ウィルス数値であるとわかれば、コンドームを使用しないセックスは「受け入れることのできる計算されたリスク」と解釈する。
以上、調査結果。
さて、この結果、白人と黒人についての報告しかされておらず日本人の自分としては、「アジアはどうなの??」と聞きたい心境です。個人的に日本人は国民性が慎重だし(リスクを取らない)、過激なセックスに走る元となるドラッグが有効に取り締まられているため、「黒人カップル型」でないかと思います。(コンドームの利用なんて暗黙の了解ですよね..?)
一方、こちら『先進国において最もHIVに感染しやすいのは黒人ゲイ男性という調査結果。』で黒人ゲイのHIV感染率が高い研究結果をお伝えしましたが、そのような現実を反映して、黒人ゲイカップルの間ではコンドーム利用が当たり前となっているのでしょうか。
白人が使わない傾向にあるという結果はよくも悪くも欧米人ぽい。リスクとベネフィットを計算して、「計算上のリスクはとる」というところ、非常に資本主義的ですね…。
とはいえいくら感染リスクが低くても、感染してしまったら現状では一生薬を飲み続けなければならないHIV。そういう事を考慮すると、ゴムなしセックスから得られるベネフィット(快楽? )とは比較にならないくらい高いリスクが存在していると思いますが…。まあ、欧米人は時々リスクを過小評価しますからね(金融危機のときのように)…..。
(Source: Queerty July 23 2012,
http://www.queerty.com/study-new-report-suggests-condom-habits-differ-by-race-20120723/ )
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