
日本にはLGBTに特化した金融サービスはまだまだありませんが、こちらアメリカでは立派なビジネスになっています。
今回、ゲイフレンドリーで有名なアメリカの商業銀行、Wells Fargoが発行する『LGBT Financial Guide』を入手したのでご紹介したいと思います。ガイドの構成順に解説します。

1.Your Customized wealth building guide (あなた向けにカスタマイズされた富を築くためのガイド)
ここでは、本ガイドの目的を述べています。つまりLGBTを取り巻く社会的、政治的な環境は絶えず変化しているため、LGBTカスタマーが強固なファイナンス基盤を築くためにはLGBTに特化した専門家が必要であることが述べられています。
2. The Ccredited Domestic Partnership Advisor (ADPA) program (認証ドメスティック・パートナーアドバイザープログラム)
ADPAとは『College for Financial Planning』という団体による認証であり、婚姻関係にないカップルに対するファイナンシャルサービスを行うのに十分な知識を有し、トレーニングされていることを保証するというもの。LGBTのみならず、結婚できないストレートのカップルも含まれるそうです。
ウェルス・ファーゴは業界内で初めてADPA認定された銀行であり、LGBTカスタマーにはこの認定プランナーがサービスの提供を行うと述べられています。
3. Getting the credit you need to reach your goals (あなたの目標を達成するために信用を得る)
人生における目的が何であれ、クレジット(信用)は目的達成に重要である。ここでは、クレジットについての基本的な説明、どのようにクレジットを築くか、LGBTカップルにとってのクレジットQ&Aなどが記述されています。
4. Make the reward of homeownership a part of your life (あなたの人生の一部として家を保有する)
ここでは、LGBTのマイホーム購入について述べられています。家を買う事のメリットや、どのようにモーゲージ(住宅ローン)の資格を得るか等。非常に、銀行的な内容です…
5. Starting your own business (自分のビジネスを始める)
ウェルス・ファーゴはスモールビジネスに対するアメリカ最大のレンダー(貸手)であり、一方でLGBT起業家は100万人を超えて存在するとのこと。ここでは、LGBTがビジネスを開始する際に必要なコーポレートファイナンスについて解説しています。
6. Domestic Partnership Checklist (ドメスティック・パートナーシップチェックリスト)
同性婚を含む、ドメスティック・パートナーの関係にあるカップルのチェックリストを提供しています。例えば、一緒に財務・財産の計画を作ったか?財産権の契約をしているか?子供の養子について、などなど。どれもゲイカップルにとって気になるポイント。
このガイドでは、どの項目もサラッと説明していあるだけで実際にはウェルス・ファーゴのアドバイザーとコンタクトする必要がありそうです。
日本ではいまだ同性婚おろかドメスティック・パートナーすら認められていません。しかし、ゲイカップルの関係について法整備がされていないからこそむしろ専門的なファイナンシャルサービスの需要があるとも言えます。このようなサービスが日本に合ったら是非使ってみたいと思いませんか?

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