
時にフラッグとは、その物質的な価値を離れて、精神的で、重要な意味を帯びるもの。アメリカの戦争映画なんかでは、人的損失も辞さず母国の旗を守ろうとするし、日本でも明示維新時の戊辰戦争で官軍を示す旗を入手し掲げた薩長軍がその後優勢となり、徳川幕府軍が賊軍となったという史実がよく描かれます。
フラッグにはそのコミュニティを統合する力、そしてそれへの所属充足感からくる、メンバーを奮い立たせる力があると思います。
今ではレインボー・フラッグ=LGBTというのは、当然の事のように受け入れられていますが、これは1978年にデザインされ、苦労の末に認知されたものだったのです。
「性の多様性を意味するLGBT」のアイコンとしてレインボーを採用したのは、非常に秀逸で、みんなが納得したからこそ今日これだけ定着したのではないかなと思います。
このレインボー・フラッグを最初にクリエイトしたGilbert Baker(61)が、誕生秘話について、語りました。
1.1978年に初登場。
1978年にサンフランシスコのアーティストGilbert Bakerがデザインした。70年代はLGBTについて、政治的論争が始まった年。初のカミングアウト市会議員となったHarvey Milk (ハーベイ・ミルク)も1977年に初当選。また1977年はアメリカ建国200周年であり、多くの組織が象徴としてのフラッグを独自の旗を使用していたのも、Bakerがフラッグ作成を思い付くきっかけとなったと述べる。
2.レインボーは全ての人種、全ての性、全ての人間性を象徴する。
Bakerは言語に頼らない、ビジュアル的なイメージを求めた結果、60年代にはヒッピーの「ピース&フリーダム」を象徴した、『レインボー』にたどり着く。Bakerは「レインボーは全ての人種・性・人間性を象徴する」と述べている。
3.現在は6色であるレインボーは、当初8色であった。
各色には次の意味がある。LGBTコミュニティの多様性を表すという意味もある。
Pink・・・Sex (性)
Red・・・Life (生命)
Orange・・・Healing (癒し)
Yellow・・・Sun (太陽)
Green・・・Nature (自然)
Turquoise・・・Magic (魔術/芸術)
Blue・・・Serenity (静穏)
Lavender・・・Spirit (精神)
4.しかし、コストがかかるため、2色脱落。
4色デジタルプリント以前の時代にとって、8色は複雑だしコストがかかってしまうため、PinkとTurquoiseをあきらめた。
5.認知されるまで10年かかった。
始めはフラッグ制作会社も、レインボーをゲイフラッグとは認めず、制作しなかった。しかし、ある会社がBakerのため、試しに5000個作製したところ、2時間で完売してしまったという。これによりゲイ・フラッグは闘いに勝った。
6.現在では、ゲイのアイコンとして定着。
LGBTのみならず、ストレートにもゲイフレンドリーを示すシンボルとして利用される。
(Source: Edge on the net, June 23 2012,
http://www.edgeonthenet.com/news/local//134431/creator_of_rainbow_flag_shares_his_memories_of_the_movement)
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