
LGBT団体のStonewallが『NETWORK GROUPS- Setting up networks for LGB employees』という、会社内にLGBTネットワークを構築するためのノウハウレポートを発表しています。
日本ではカミングアウトしている人がまだまだ少なく、社内にLGBTグループを作るまで行くにはだいぶ先の気もしますが、例えばLGBTに限らず、社内にダイバーシティグループを作る、又はプロジェクトチームを作るなどの際も参考になると思うので、ここで紹介しておきたいと思います。
第1回目は社内にLGBTネットワークを構築するメリットを紹介したいと思います。各メリットに対するコメントは僕自身の所感です。
リンク先にあるレポートにはより詳細に記述されているので、興味のある方は読んでみてください。
〇具体的なポイントについてはこちら→社内にLGBTネットワークを設置する際の10のポイント。
〇ゲイに対するマーケティングについてはこちら→LGBT消費者をマーケティングするための10のステップ。
1. 企業にとってのメリット
・多様性を促進する
→多様性の豊かな組織はクリエイティビティで生産性が高いといわれます。このブログでも何度も紹介しているように、現在、多くのアメリカ企業がLGBTに限らず多様性を取り入れる努力をしています。
・コンプライアンスに資する
→日本はアメリカと違い、LGBTの平等に関する法律は今の所ないと思われます。しかしマイノリティ保護の会社方針は、女性の平等や、社員間の尊重の精神につながり、ひいては社内のコンプライアンス意識を高めるのに役立つと考えられます。
・社内に従業員のコミュニケーションチャネルを築く
→LGBTグループの構築は、雇用主とのコミュニケーションの機会を作ります。これにより会社は有益な情報や意見を聞きだすことが出来ます。
・顧客の評判を高める
→LGBTグループを社内に設置することで、LGBTフレンドリーな企業として認知されます。これによりLGBTの顧客はもとより、リベラルな考えを持った顧客からのロイヤリティを高めると考えられます。
2. LGBT社員にとってのメリット
・コミュニケーションチャネルを築く
→多くの日本の大企業では、各部門の意思疎通の不自由さにより組織が硬直化しているという問題があり、例えばLGBTグループのような業務を越えたコミュニティチャネルの構築は、組織の活性化につながります。
・お互いがサポートできる
→LGBTがお互い相談できるコミュニケーションの場が出来ます。仕事上での問題等もともに解決できるかもしれません。
・キャリアの発展を促す
→例えば、自分がセクシャルマイノリティであるためキャリアアップできないのではないかと悩むLGBT社員は多い異と思います。LGBTグループの構築はこのような問題を解消し、LGBTが安心して社内でのスキルの向上に努め、キャリアアップに努めることが出来ます。また、LGBTグループ内でロールモデルとなる社員やメンターが他のLGBT社員を勇気づけたり、感化することが出来るでしょう。
3. 顧客やクライアントにとってのメリット
・製品やサービスが改善される
→LGBTグループにより検討されることで、LGBTの客に対するサービスの質は格段に向上すると思われます。また、これをきっかけにいろいろな視点からオープンに議論できる風土が生れることで、一般の客に対する製品やサービスにも好影響を与えると考えられます。
(Source: Stonewall, http://www.stonewall.org.uk/at_work/research_and_guides/4907.asp)
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