
以前記事でお伝えした(→LGBTに対する名門ホテルの取り組み。)有名ホテルチェーンのMarriott Corp(マリオットホテルグループ)が今月世界中で開催されるゲイパレード、Prideに合わせて “Be You, With Us” (私たちとともに、ありのままのあなたへ)というキャンペーンを始めました。
この “Be you, With Us”はゲイをターゲットとしたパッケージやホテルアメニティの提供などを含み、マリオットグループの各ホテルで行われるとのこと。また抽選で2013年度のプライドへの5,000ドルの賞金が当たるそうです。
Pride月間に合わせて多くのホテルがゲイをターゲットとしたプロモーションを行っていますが、マリオットがあえて取り上げられているのはChairman(会長) のBill Marriottがモルモン教徒だからです。
こちら→性欲のコントロールが必要だったイモ系美少年の話、Latter Days。 で少し触れたように、モルモン教はゲイを認めない宗教ですが、Bill Marriott はカリフォルニアで同性婚を禁止する「Proposition 8」のキャンペーンから距離を置いたりと、LGBTの 権利をサポートしてきました。
彼は自身のブログでこう述べています。
「Marriott Internationalは公開企業であり、個人やファミリーによって運営されているものではない。会社も私も、Proposition 8が通過するためのキャンペーンに貢献はしていない。
私の愛する聖書は正直さ、高潔、そして全ての人々に対する無条件の愛を教えてくれる。しかしそれを越えて、私は個人的な信条と、どのように会社を運営するかを切り離すことに、とても注意を払っている。
80年以上の間、私たちの会社は成長し、そして変化してきた。しかし根本的な方針はまだ残っている。私たちは人種や、性別性的指向や性認識に関わらず、全ての客、パートナー等を受け入れる。 ・・・」
さて、いかがでしょうか。個人的にはこれがビジネスの一つのあるべき姿だと思います。ビジネスの第一義的な目的はお金を稼ぐことであり、そのためには自分個人の信条とは切り離すべきでしょう(営利を目的としない社会起業などは別とします。)
日本におけるゲイへの嫌悪はアメリカほどではないかもしれませんが、それでもあえてゲイフレンドリーであることを打ち出すことに抵抗を感じている経営者も多いかもしれません。
しかし、アメリカのモルモン教徒でさえ、自己の信条に反してでもゲイフレンドリーなビジネスをするという選択をしていることは非常に大きな意味があると思います。
日本でも積極的にゲイフレンドリーであることを打ち出す企業が出てくることを期待したいですね。
興味のある方はMarriottのHPへ→Be You With Us
(Source: Queerty, June 11 2012,
http://www.queerty.com/mormon-owned-marriott-corp-sponsors-be-you-with-us-pride-month-hotel-packages-20120611/)
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