
昨日、Exxon MobilがLGBT社員保護を否決した記事を紹介しましたが(→エクソン・モービル、LGBT社員の保護を否決。)、奇しくも同日、同じ石油メジャーのBritish Petroleum(BP)の元CEOであるLord Browne氏(65)が、「職場におけるセクシャリティ」について講演しました。
Lord Browne氏は2007年、男性の元恋人が同性愛関係をプレスへ暴露しようとしていることが発覚し、BPのCEOの座を追われました。
講演のうち一部抜粋すると、
「ビジネスの世界は他の業界、例えば法律専門家、メディア、アート等と比べいまだにホモセクシャリティに対して不寛容だ。」
「いくつかの業界ではその状況はさらに悪い。私が働いているPE(プライベート・エクイティ)業界では、オープンリー・ゲイは1%以下だ。」
「自分の性的志向を隠していたことは私を不幸せにし、結局うまくいかなかった。人々は疑ったし、ばれるのは時間の問題だった。」
「ケンブリッジ大学卒業後、私はBPに入社したが、その後すぐにゲイであることを明らかにすることは受け入れられないと悟った。特に石油業界では顕著だ。そこはとてもマッチョな世界で、ときにホモフォビアな環境だ。私は隠す必要があると感じた。」
「ホモセクシャリティは未だに70か国以上で非合法であり、7か国で死刑となる。この不正義は主にイギリス帝国が輸出したものであり、私の意見としては時間をかけてこれを正していく必要があると思っている。」
さて、いかがでしょうか。LGBTが職場を選ぶ際は、条件面や会社の規模、将来性等の基本的な考慮事項に加えて、どれだけ多様性を受け入れられるかも重要な検討事項かと思います。
一生カミングアウトしないからいいかなと思って就職してもLord Browneの言うように「ばれるのは時間の問題」かもしれないし、たとえばれなくても結婚などしないことから不信感を持たれるかもしれません(いまだに結婚しないと出世の障害になるといわれる業界も存在しますね)。
巨大企業のCEOまで上り詰めたけど、ゲイばれで追放された同氏の経験に基づくコメントは非常に有意義で、今後職を探す人にとって是非参考にすべきものかと思います。
(ソース先には全講演が載ってます。)
(Source: ARUP, May 30 2012,
http://www.arup.com/Home/News/2012_05_May/29_May_2012_Lord_Browne_of_Madingley_addresses_Arup_Connect_Out.aspx)
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