
キューバの元書記長Fidel Castroの姪で、現大統領Raul Castroの娘であるMariela Castroさん(50)が先週水曜日にサンフランシスコのLGBTセンターを訪れました。彼女はヘテロセクシャルであるけれど、キューバで唯一の政府公認の性的マイノリティ権利提唱団体の代表であり、最も著名なLGBT権利活動家だそうです。
彼女は、最近のオバマ大統領による同性婚容認発言に対し、このようにコメントしています。
「時に同性婚の話題は選挙の票集めに利用される。だけどオバマ大統領のそれは誠実なものであり、この問題に対して心から答えている。もし私がアメリカの国民だったなら、オバマに投票すると思うわ。」
彼女はまた、父であるラウル・カストロ大統領についても言及しました。彼女によるとカストロ大統領は長い間同性婚の支持者であるが、社会変革の戦略上、それを公にはしてこなかったとのこと。
マリエラ・カストロの訪米は、彼女が本物のゲイ権利活動家なのか、それとも単に父の口利きなのかということで議論を呼んでいました。大統領共和党候補でアンチ・ゲイのミット・ロムニー氏は、そもそも「独裁者の娘」に旅行ビザを発給することに対して怒りをあらわにしていた上、今回のマリエラのオバマへの賛同に対して「オバマは独裁者の娘による賛同などすぐに否認すべきだ」と非難しています。
さて、いかがでしょうか。社会主義の独裁国家というと、LGBTの権利はおろか一般的な言論の自由もないイメージだったので、このニュース少し驚きました。独裁者の長女が国家で一番著名なLGBT権利活動家というのはちょっと斬新ですね。
彼女のLGBT活動に関する外遊については、独裁者としてのカストロ一族を守るためのプロパガンダとみる向きもありますが、理由はどうあれLGBTを迫害するのではなく積極的に守ろうとするのは素晴らしいことですね。
「LGBTの権利が認められているけど民主主義ではない国」、「民主主義だけどLGBTが迫害される国」。いったいどちらが正しいのでしょうか。
そもそもアメリカのような民主主義国家の大前提は「多数決」であり、LGBTのようなマイノリティはその母集団の劣勢から権利が認められないことになってしまう。「個人の自由・権利」を守るために発明された民主主義というシステムは逆に「少数者の自由・権利」を排除してしまうシステムを内包しているんですね。
このような問題を解決するには、システムの中の個々人が「道義的、倫理的に、たとえ多数派の利益を多少損ねても少数派の権利を認める姿勢」が必要であり、民主党オバマ大統領を筆頭に今そのような流れに向かっているのではないかと思います。
今回のマリエラ・カストロ氏の訪米は何かこのような「民主主義の欠陥」と「今後の可能性」について考えさせられてしまいます。
(Source: May 24 2012,
http://www.queerty.com/cuban-first-daughter-mariela-castro-endorses-president-obama-during-visit-to-san-francisco-20120524/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+queerty2+%28Queerty%29)
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